遺言書作成時には、医師の診断書も!

今回は、遺言書を作成される場合の注意点についてです。

遺言書を作成する場合、ご本人がどうされたいのか・・と言うことを考え、

自筆証書遺言書または、公正証書遺言書を作成することになります。

自筆というのは、その単語の通り、ご自身で記載をされるものですが、

公正証書の場合は、公証役場での手続きをすることになります。

 

一般的には、公正証書で作成される方が、自筆証書よりも信頼性や安全性が高いとされています。

ですが、少し古い話ではありますが、2013年の高等裁判所の判決では、そうとばかりも言えない

と言うような事例が出ています。

 

 

 

 

 

 

 

内容を簡略すると・・・

*亡くなったのは、生前外科医をされていた82歳男性でした。

*55歳のときに、全てを妻に残すという自筆証書遺言書を作成。

*その後、81歳のときに、実妹に全財産を相続するという公正証書遺言書を作成。

この翌月に、妻死亡。

*82歳で、ご本人が亡くなりました。

この81歳の時に作成した公正証書遺言が有効であれば、この方の全財産は妹さんにいきますが、

弟さんらが無効では!!と主張し、争いになりました。

 

裁判所の判決は、1審は有効としましたが、東京高裁は逆転、無効としました。

その理由は、亡くなった方はうつ病、認知症を患っていらして、投与されていた薬剤の影響もあり、

公正証書遺言書作成時には、遺言作成能力を欠くというものでした。

 

この事案の他にも、公正証書遺言が無効判決を受けたケースがあります。

公証人の方がいい加減なわけではありませんが、認知症なのかどうかの判断が難しいケースもあります。

ですので、高齢になって遺言書を作成される場合は公正証書だからと言って安心せず、

後の争いを起こさないようにするためにも、医師の診断書をもらっておくことが重要ですね。

 

 

 

 

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