先日、60代の方がご相談に見えました。
その方は、この春からお孫さんが地方の大学に進学されることになったそうです。
息子さんご夫妻には、大学に進学されるお子さんの下にまだ2人いて、そちらにも教育資金などがかかり、
地方の大学に進学するお子さんに対しては、余り多くの資金援助ができないようです。
学費と最低限の生活費は送るが、あとの交際費的なものは自分でアルバイトをしろ!と言っているようです。
それを聞いたご相談者の方は、まだ入ったばかりで、暮らしたことが無いような土地で一人で
ある程度やっていくのはかわいそうなので、せめて1年生の後半は少し援助をしたいと思っているようです。
また、下の兄弟たちが後数年で大学生になれば、その時の学費は少し援助したいということでした。
とても、素敵なお話ですよね。
ですが、これって贈与になるのかしら?と、ちょっと気になってしまいますよね。
そこで、私の所に相談にいらした・・と言う経緯です。
贈与? そうではない?
配偶者や直系血族、兄弟姉妹といった扶養義務者相互間での生活費や教育費は、通常の社会常識の範囲内で
行われている限りは、贈与税はかかりません。
よって、お孫さんの大学生活の生活費を仕送りしても、通常の範囲内であれば、贈与税はかかりません。
この話のポイントは、「通常の社会常識の範囲内」です。
よくこのお話をすると、1か月に例えば100万円仕送りしてもいいのか、地方で車がないと生活できないから、
BMWや高級スポーツカーを買ってあげてもいいのか?というような(内容のバリエーションはそれぞれですが・・)
ご質問を頂きます。
もしかしたら、そのおうちでは、1か月100万円のお小遣いは普通かもしれません。
ですが、平均的、社会的には、大学生の子供の1か月生活費は100万円もかかりません。
(そもそも、普通の社会人でもそんなにはかからないですよね)
ですので、お孫さんに大変だろーと、1か月100万円を生活費として仕送りしたら、贈与税はかかります。
理由は、上記のとおり。社会通念を超えた範囲だからです。
そうなると、一体いくらならいいんだ??と言う若干ケンカ腰の議論になるのですが、税法上、
いくらなら〇、いくらを超えたら×と言う事は明記されていません。
ですので、一律いくら・・と言う事はお伝えができませんが、例えば、家賃と食費+交通費といった
程度でしょうか。
食費は、例えば1日2000円とか、1000円などときめて、×30日などでのおおよその金額などでしょうか。
一括で渡すのは、税法上は余りよくない!
毎月送金をするのは、ちょっとメンドクサイな・・。
先程の例ですと、半年分をまとめて、どーーんと孫の口座に入れてしまおう!などと、考えることもあるかと思います。
ですが、こちらは、金額にもよりますが、税法上では、まとめ払いの場合は、本来の生活費以外のことに
使えてしまいますので、生活費ではない・・と指摘される可能性があります。
その場合は、一括で渡した金額に対して、贈与税がかかってしまいますので、よく注意です。