妻のへそくりは亡くなった夫の相続財産?

妻のへそくりは、相続財産になる?

よく、相続税のお話を奥様とさせて頂くと、聞かれることがあります。

「毎月、夫から生活費を定額もらって、やりくりした残りは自分のへそくりにしていて、使わないで自分の通帳に溜めていて、結構な金額になっているけれど、これは私のお金ですよね?」 

家計を預かる奥様は、日々の生活費から、その他の社交費まで、色々とやりくりをされるのはとても大変だと思います。その中から、すこしづつ残ったお金を10年・20年と溜めていくと、意外と大きな金額になりますね。

そのため、とても申し上げにくいのですが・・・

答えは、「それは、亡くなったご主人様の財産なので、相続財産に含める必要があります」 

こう申し上げると、「え~、なんで??」とビックリされます。

へそくり

なぜ相続財産になるのだろうか?

税務上は、このへそくりを、名義預金として、亡くなったご主人の相続財産とします。これは、税務では基本的な考え方です。

預金やお金が誰のものなのか、この場合で言えば、夫のものか・妻のものかということは、①その預金やお金を運んできた人・稼いできた人は誰か、②実際にその預金やお金を管理し、また運用や支払等の決定をしている人は誰かということから、所有は誰なのかを判断していきます。 

税務の考え方では、妻が専業主婦である場合、相続や贈与で財産を貰う以外は、自分の財産が増えることはないとされます。よって、お金を稼いでいるのは夫なので、妻の財産ではないと言えますね。

次に、仕事に出ている夫の代わりに、妻が銀行にお金をおろしたり、管理をしたり、資産運用が好きな夫であれば、証券会社とのやり取りなども妻がしているかもしれません。ですが、妻は単に管理をしているだけで、そのお金の行先や支出の承認は夫がしていますので、妻が決定をしている訳ではありません。(中には、夫よりも投資に詳しく、妻が運用をしているケースもあるかもしれませんが、それはあくまで運用を「代理」したり、「アドバイス」をしているにすぎません。)

そのように考えると、妻は①にも②にも該当しませんので、所有者とはならないのです。

どうしたら、へそくりを妻のものとすることができるだろうか?

恐らく、上記のように回答すると、「でも、夫は残ったお金は、お前が好きに使っていいよ♪と言ってくれた!!!」と反論が返ってきそうですね。

そういう場合は、税務上一番いいのは、都度贈与契約書を作る事です。でも、毎月毎月メンドクサイ・・ということであれば、旦那様に一言、「生活費が残ったので、それはもらうけど、いいよね?」と念を押したうえで、溜めておいて、何かで使ってしまう事です。

黙って溜めて、使わないでいるということは避けた方がよいです。

それに、へそくりは、少し溜まったら使った方が、ご自身の楽しみにもなりますよ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です