中期的な相続対策

3年程度の余裕がある方の相続対策では、近い将来、値上がりしそうな資産や、

高収益の不動産を所有している場合には、早めに子供や世代飛ばしで、孫へ

贈与することも、相続税の軽減のためには効果的です。

ただ、お孫さんが小さい場合は、多額の贈与をすることが(税務的には

よいかもしれなくても)成長過程や躾などの点から、よいのかどうかは

充分に考えてくださいね。

 

 

 

 

相続時精算課税を使って・・

60歳以上の親や祖父母から20歳以上の子供や孫への贈与では、「相続時精算課税制度」を

選択することが可能です。

この場合、贈与を受けた財産の価額から、2,500万円を控除した残額に対して、

20%の税率で計算された贈与税がかかります。

贈与した人が死亡した場合、贈与を受けた財産は、贈与を受けたときの価額によって、

相続等で取得したものとして、相続財産に加算されて、相続税がかかります。

これだと、贈与税と相続税が二重にとられる!!と思う方も、いらっしゃるかと思います。

支払った贈与税は、相続税から相殺というのか、控除されます。

仮に、贈与税の金額の方が、相続税よりも大きい場合は、還付されますので、同じ財産に

二重で税金が課されることにはなりません。

 

贈与を受けた財産は、贈与時の価額で固定されるため、贈与後の資産の値上がりの影響を

受けずにすみます。

また、可能であれば、相続の時までに、極力財産金額を抑えて、相続時精算課税を使った

財産を加味しても、基礎控除の範囲内にできれば、相続税はかからないことになります。

 

暦年課税贈与を使って・・

これは、皆様ご存じの年間110万円までなら、贈与税がかからない・・という方法です。

主税局の調べでは、暦年課税の贈与は、取得財産価額が700万以下の、贈与税率でいくと、

10%~20%のレンジが課税されるようなものが、約9割を占めていて、かつ複数年にわたって、

連続して贈与を行っているケースが多く見受けられるということのようです。

 

この暦年贈与では、亡くなった方が亡くなる前3年間で、相続人に対して贈与をしたものは、

相続財産として加算される、生前贈与加算の規定があります。

余り、亡くなる直前だと、税逃れで、資産移転をしようとしていますよね・・ということになります。

(そういう気持ちがなくても・・)

 

いつ亡くなるのかは予測ができませんので、この規定は相続対策を考えるときには、

ちょっと厄介です。

ですが、この規定が仮に適用されたとしても、これは贈与を受けた財産に対してであり、

その財産から生まれる収益には課されません。

例えば、高収益のマンション1棟を持っていて、生前に子供にマンションを暦年贈与で渡し、

そこから3年以内に亡くなってしまった場合、このマンションの土地建物は、相続税の課税対象です。

が、マンションの賃料収入からくる利益は、相続税の対象とはなりません。

よって、1年ではなく、何年かに分けて、贈与をしていけば、そのまま何もせず、老親にお金がたまり、

そのお金にも相続税がかかることを、防ぐことも可能です。

 

ただし、相続税・贈与税の一体課税への見直しが検討されていますので、改正があれば、

上記の検討の余地は余りなくなってしまいます。

もし、どうしたものか・・とお悩みであれば、改正の可能性があることも頭の片隅に入れて、

今贈与をするのかどうか・・を、考えて頂くとよいかと思います。

 

どうしたらいいのか混乱して分からない!!という方は、お気軽にお声がけください。

 

 

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