海外財産は贈与税がかからない?

海外財産は贈与税がかからないの?

よく、贈与税は日本という国の税金なので、海外にある財産を贈与したら、贈与税はかからないのではないか・・と思われている方がいらっしゃいます。

一律に、海外財産には贈与税はかからないという考え方は誤りです。
財産をあげる人と、もらう人の住所がどこなのかということと、贈与される財産がどこにあるのかによって、贈与税が課させるのかどうかが決まりますので、海外財産=贈与税の課税対象外ではありません。

贈与税がかかるかどうかの体系

下記の表をご覧ください。

贈与税の体系ご覧いただいているとおり、贈与税は、まず財産をあげる人と、もらう人がどこに住所があるのかということからマトリックスをみていきます。次に、その交差するところをみていくと、あげる財産が、日本国内にあるのか、それとも海外にあるのかで、区分されます。 

ほとんどの場合、財産の所在が国内でも国外でも課税されますね。日本の贈与税がかからないケースは、次の2つだけです。1つ目は、あげる人が国外の居住していて、もらう人も日本の国籍を持たず、国外に居住しているケース。2つ目は、あげる人ももらう人も、5年超国内に住所がないというケース。

国内財産と国外財産とは?

財産の所在地は、財産の種類ごとに次のように決められています。

例えば、預金であれば、外資系銀行の丸の内支店に定期預金をしているのであれば、国内財産になりますが、
同じ銀行のニューヨーク支店で預金をしているのであれば、国外財産になります。
同様に、国内にある不動産は国内財産ですが、ハワイにある別荘は国外財産となります。

事例でみてみましょう!

私の父は、ドイツで事業をやっており、長年ドイツに住んでいて、日本での商談の際には戻ってきます。私は、日本で生まれて、日本国籍を持っていますが、小学校に入るころに、父がドイツで事業を始めたときから、高校までドイツで両親と一緒に暮らしていましたが、大学生になったときに、日本に戻ってきて、現在は日本の商社で働いており、近く結婚する予定です。

先日、父が日本に来た時に、ドイツの銀行のボンにある支店で開設された、私名義の口座に、父が過去毎年100万から300万円程度を送金していたステートメントを渡され、結婚資金に使いなさいと渡されました。 総額では、3000万円程度になっていました。

この事例では、贈与税はかかるのでしょうか。

あげた人(父)は、国外に居住し、5年以内に国内に住所はありませんので、「上記以外」の欄に該当します。もらった人(私)は、国内に居住していますので、両方がクロスするところは、「全世界財産が課税」に該当します。
もらった財産は、ドイツにある銀行のボン支店の預貯金ですので、国外財産になります。
ですが、父と私の関係では、国外にある財産であっても、日本の贈与税は課税されますので、この預貯金は、贈与税の会税の対象となります。

ただ、年間110万円までの贈与については、基礎控除以下ですので、年によってはかからない年もあるでしょう。

あげる人が海外に住んでいて、あげる財産も国外であるから、日本の贈与税はかからないと思うのは、誤りですので、ご注意ください。

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