お亡くなりになった後に行う手続きをご存知ですか? その2

お亡くなりになった後に行う手続きのおさらい

前回、お亡くなりになった後の手続きとして、高額医療費と葬祭費のことをお話ししました。

その他、何があったっけ?という方のために、まずはちょっと復習です。

お亡くなりになった後に、相続人の方がしなくてはならない手続きは、相続税の申告だけではなく、下記のようなものがあります。

✔ 死亡届の提出

✔ 銀行へ死亡の事実を届出

✔ 相続放棄・限定承認の申し出

✔ 準確定申告の提出

✔ 高額医療費や葬祭費等の請求

✔ 公的年金について死亡届と遺族年金の請求

✔ 生命保険金の請求

一番上の死亡届以外は、該当がある場合となります。

今日は、銀行への死亡届等について、触れてみます。

通帳

銀行はどうやって死亡を知るの?

役所などから銀行へ連絡が行くのでは?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、そのようなことは基本的にはありません。

よって、銀行が預金者の方が亡くなった事実を知るのは、相続人の方からの申し出がほとんどです。 その他は、新聞等の死亡欄からでしょうか。

銀行が死亡を知ったら、どのような事をするの?

これは多くの方がご存知ですよね。亡くなった方の預金口座は、凍結されます。凍結というのは、入出金ができなくなることを言います。 

なぜ銀行はこのようなことをするのでしょうか? それは、相続が開始(=お亡くなりになった)ときから、お亡くなりになった方名義の預金は、相続人の共有状態となります。一部の相続人が勝手に預金を引き出してしまったりしないように、遺産分割が確定するまで、そのままにしておくためです。(決して銀行がイジワルしている訳ではありません!)

口座を凍結される前にすべきことは?

相続人の方が、葬儀費用や当面の生活費などを自分の貯えからねん出することができれば、特に何かをする必要はありません。ですが、例えば、ご主人様がお亡くなりになり、奥様は特にご自身の預貯金がない場合などは、凍結される前に、葬儀費用と数か月分の生活費を引き出しておく必要があります。

ただし、ここで注意点があります。多くの方は、亡くなると預金が凍結されていることはご存じです。そのため、お亡くなりになる前に、預金から50万・100万と引出されます。それは構いません。いいです。

でも、その引き出した金額は、相続税の申告の際には、現金として相続財産に加える必要があります。「え、なんで??」と思われた方、よ~く考えてみてください。相続税の申告の際には、亡くなった日の預貯金を銀行が発行する残高証明書から預貯金の金額を確認し、「××銀行××支店 普通預金 NO123456  10百万円」といった具合に申告書に記載します。でも、その前日に、2百万円引き出していたらどうでしょうか? お金自体は、銀行にあるのか、家にあるのかという保管場所が変わっただけで、10百万円+手許の2百万円の12百万を所有していますよね。 なので、2百万円も相続財産に含めなければなりません。

ここは、よく税務調査でも問われる点です。たぶんバレないと思うから、ナイショにしちゃえ~は厳禁です!! まず、通帳の動きをみれば、税理士は分かりますから、質問されますよ。。。

相続人代表口座とは?

基本的には、相続分割が決定するまでは亡くなった方の口座は凍結され、相続人が立替える必要がありますが、色々な支払金額が大きく、相続人固有財産からでは、立替えるのが難しいという場合があります。

そのようなときには、相続人全員の了承を得て、「相続人代表口座」を作ることが可能です。 

凍結されている亡くなった方の口座は、誰が相続するかまだ決まっていない場合でも、①被相続人及び相続人全員の戸籍謄本 ②相続人全員の署名と実印の押印 ③印鑑証明書 があれば解約出金することができますので、①から③をそろえて、解約します。

遺産分割されていない亡くなった方の預金額は、明確にしておく必要がありますので、上記で作った「相続人代表者名義の口座」に集約し、そこから必要な支払をしていきます。そうすると、残高把握もしやすく、遺産分割が決まった後、実際に各相続人に配分する際もわかりやすいです。

口座凍結を解くには?

口座凍結を解除するには、金融機関によって細かいところは異なっているようですが、大抵は下記のような書類が必要になります。

■ゆうちょ銀行以外の金融機関

✔ 所定の払戻請求書(相続人全員の実印が必要)
✔ 相続人全員の印鑑証明書
✔ 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本
✔ 相続人全員の戸籍謄本
✔ 被相続人の通帳とカード(紛失の場合は再発行が必要な場合も)
✔ 遺産分割協議書(意外となくても受け付けてくれる所もあるようです)
金融機関により、上記以外にも必要な書類があることがあります。

■ゆうちょ銀行

✔ 貯金等相続手続請求書
✔ 相続人全員の印鑑証明書
✔ 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本
✔ 相続人全員の戸籍謄本
✔ 貯金通帳、キャッシュカード、貯金証書
✔ 死亡届書

ゆうちょ銀行は、ちょっと手続きが複雑です。まずは、最寄の郵便局窓口に直接、相続のあった場合の手続きを聞きに行ったほうが早いようです。

当事務所では、申告だけでなく、相続関連の各種手続きのみも承っております。ご自身では預金口座の名義書き換えなどの手続きがよくわからず、ちょっと不安・・という方は、お声掛けください。

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